Facebook広告のやり方を完全解説!初心者のための失敗しない方法をわかりやすく説明します

目次

1. Facebook広告を使う3つのメリットとは?

Facebook広告は、世界的に有名なSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)であるFacebookを中心に広告を配信できる広告媒体です。あなたが広告を配信する際にFacebook広告を利用するメリットは、大きく分けて3つあります。

  • 多くのユーザーに向けて広告を配信可能
  • ターゲティング精度が高い
  • 目的に応じた広告を作成できる

1つ目のメリットは、リーチする見込み客の多さです。

2020年12月時点で、Facebookの月間アクティブユーザー数は28億人だと公表されています。これだけでも、Facebook広告の優位性が分かるでしょう。それに加えて、Facebook広告の配信先は、Facebookだけに留まりません。Instagram、Messenger、さらにはFacebookが提携しているアプリやサイトにも、広告を配信できます。このように、Facebook広告でリーチ可能なユーザーの数は膨大です。

2つ目のメリットは、ターゲティング精度が高いことです。

広告配信の主な対象となるFacebookは、実名で登録することを規約で定められています。そして、実名登録したユーザーのプロフィールは、正確かつ詳細に設定されやすくなります。そのため、Facebookに登録されたプロフィールをもとにした広告ターゲティングを、高い精度で行えます。

3つ目のメリットは、広告を目的に応じて作成できる点です。

広告を見たユーザーにとってほしい行動を目的として設定すれば、その目的に適した広告が自動的に選出されます。設定できる目的は、ブランド認知度アップ、コンバージョン、アプリのインストールなど12種から選択可能です。広告の配置場所に悩む必要もなくなるので、マーケティング知識がなくても安心です。

以上のメリットをもつFacebook広告の使い方をこれからお伝えしていきます。Facebook広告を使って、多くのユーザーから選ばれたターゲットに向けて、ターゲットに適した広告を配信しましょう。

2. 広告アカウントの設定方法

Facebookビジネスマネージャの登録方法

Facebook広告を利用するために、まずはFacebookビジネスマネージャのアカウント登録を行いましょう。ビジネスマネージャは、Facebookページや広告アカウントの管理に使うビジネスツールです。ビジネスマネージャを使うことには、広告アカウントを切り替える手間を減らしたり、広告アカウントごとに権限が設定したりできるメリットがあります。

ビジネスマネージャのアカウントは、下記のリンク先から登録できます。

リンク:Facebookビジネスマネージャ

リンク先のページの右上にある「アカウントを作成」ボタンから、登録画面に移動してください。ただし、登録画面に移動するには、Facebookを利用するのに使う個人アカウントでログインしなければいけません。もし、個人アカウントを持っていなければ、個人アカウントを作成する必要があります。

登録画面に移動できたら、表示に従って以下の項目を入力していきます。

  • ビジネス名
  • ユーザー名
  • 仕事用メールアドレス
  • ビジネスの詳細(住所、電話番号など)

ビジネス名は、アカウント名としても扱われます。わかりやすい名前を付けましょう。

ユーザー名は、英語の書き方で処理されます。そのため、名前を先に、苗字を後にして書きましょう。また、名前と苗字の間には半角スペースを入れる必要があります。

仕事用メールアドレスは、入力したアドレスに認証メールが届くので、メール中のリンクをクリックして認証しなければいけません。メールアドレスを認証させることで、はじめて広告を配信できるようになります。

ビジネス詳細は後ほど設定できる項目で、未入力でもアカウントは作成可能です。

以上の入力を終わらせれば、アカウント登録が完了します。これで、上記のビジネスマネージャへのリンクからホーム画面へ移動できるようになります。

Facebookページの名前について

Facebookページとは、Facebook上で作成可能なビジネス向けページを指します。広告を配信する際に必要となるので、Facebookページが用意できていない場合は作成しなければいけません。

さて、Facebookページを作成するときに名前を設定しますが、気をつけなければならないことが2点あります。ページ名を決める前に、確認しておきましょう。

Faceookページの名前で気を付ける2つのこと

1点目は、認められていないページ名がある点です。Facebookページ名には、審査を通過した名前しか認められません。審査を通過するには、次のような文字や単語が含まれていないページ名を付ける必要があります。

  • 不適切、または人権を侵害する可能性がある言葉やフレーズ
  • 公式ページでない場合の、「公式」という単語
  • 文法的に正しくない大文字(略語を除き、すべて大文字も不可)
  • 記号や、不要な句読点
  • 説明文やキャッチフレーズ
  • 「Facebook」という単語および派生系
  • 一般的な固有名詞地域名のみのページ名(含んだ名前は可)

2点目は、名前の変更は気軽に行えない点です。たとえば、一度決めた名前を変更する場合、審査には最大3日かかります。さらに、審査したあとの7日間は再審査を申請できません。つまり、名前を仮決定してから正式名称を決める、といった方法をとると思わぬ落とし穴にはまる可能性があるということです。Facebookページを作成する前に、ガイドラインに合ったページ名をあらかじめ決定しておきましょう。

Facebookページの設定方法

Facebookページの名前について確認できたら、ビジネスマネージャでFacebookページを設定していきましょう。ビジネス設定の画面を開き、左端のメニューから「アカウント」>「ページ」を選択すれば、ビジネスマネージャに追加されたFacebookページを設定する画面が開けます。

追加ボタンをクリックすると、3つの選択肢が表示されます。「ページを追加」は、すでにFacebookページを作成している場合に選択します。「Facebookページのアクセスをリクエスト」は、別の人や別のビジネスのためのページを追加する場合に選びます。「新しいFacebookページを作成」は、Facebookページをまだ作成していない場合の選択肢です。いずれかを選択し、必要な項目を入力することで、ビジネスマネージャに入力したページが追加されます。

Facebookページが追加できたら、右上にある「ページを見る」ボタンをクリックし、現在のページの状態を見てみましょう。もし、新しく作ったばかりのFacebookページであれば、ほとんど情報がないページが表示されるでしょう。ですので、ページの内容を充実させるために、写真や投稿、基本データなどを追加していきます。

ちなみに、広告を出すためにはFacebookページを公開していなければいけません。ページ上部のメニュー右側にある「設定」から設定画面を開き、「一般」の中にある「公開範囲」で設定を変更することで、公開するか公開しないかを選べます。

ビジネスマネージャの基本設定について

広告を配信するには、Facebookページだけでなく、広告アカウントも追加しなければいけません。広告アカウントは、個人アカウントとは違います。また、ビジネスマネージャ用アカウントとも異なります。広告を配信するのに使う、広告マネージャを使用するためのアカウントが、広告アカウントです。

広告アカウントの作成をするには、ビジネス設定の画面左にあるメニューから「アカウント」>「広告アカウント」を開きます。そして、追加ボタンを押すと、Facebookページの追加ボタンと同様に3つの選択肢が表示されます。状況に合った選択肢を選んで、必要な項目を入力しましょう。

ビジネスマネージャに広告アカウントを追加したら、アカウントを管理するユーザーを設定します。ユーザーを追加する広告アカウントを一覧から選択し、「ユーザーを追加」ボタンをクリックすれば、ユーザーを追加するウインドウが表示されます。ここで、管理するユーザーと、ページに対するアクセス権限を選択しましょう。

以上の操作で、広告を出す準備が完了します。

ちなみに、支払い方法など広告アカウントの設定を変える場合は、画面左にあるメニューからビジネスツール(9つの点のアイコン)を開き、「広告アカウント設定」を選択してください。ここで設定されている支払い方法や硬貨単位が広告マネージャで反映されます。

ご質問への回答「Facebook Business Suite」との違いは?

Facebookビジネスマネージャに機能が追加された新しいビジネスツールが、Facebook Business Suiteです。以前のビジネスマネージャのホーム画面からFacebook Business Suiteのホーム画面にリダイレクトするので、旧Facebook Business Suite=Facebookビジネスマネージャともいえます。

Facebook Business Suiteは、2020年9月に導入されました。Facebookビジネスマネージャと比較すると、次のような機能が追加されています。
デスクトップやモバイルアプリで使用可能になった
ホーム画面のデザインが一新された
「いいね!」やコメントなどのアクティビティが表示されるようになった
Facebookページ、Messenger、Instagramの受信箱が統合された
FacebookページやInstagramフィードに投稿できるようになった
広告マネージャを介さず広告が作成可能になった
アクセスや有料投稿の成果などのインサイトデータが確認可能になった
Facebookのあらゆるビジネスツールにアクセスしやすくなった

ちなみに、Facebook Business Suiteのホーム画面で「フィードバック」>「ビジネスマネージャに切り替える」を選べば、ビジネスマネージャのホーム画面を開くことができます。ただし、ビジネスマネージャのみ使える機能はありませんので、とくに切り替える必要性はないでしょう。

どちらを使うとしても、ビジネスマネージャ用のアカウントは必要になります。ビジネスマネージャアカウントを作成されていない方は、以下のリンクからビジネスマネージャアカウントを作成した上で、ビジネスマネージャにて広告を流してください。

リンク:Facebookビジネスマネージャ

3. Facebook広告アカウントの構造

「キャンペーン・広告セット・広告」の構造について

Facebook広告は、「キャンペーン」「広告セット」「広告」の3つのパーツによって構成されています。この3つのパーツを理解し、適切に紐付けることで、狙ったターゲットにリーチしやすい広告を作成できます。

キャンペーンは広告の基礎となるもので、広告の目標を設定します。ここで設定した目標によって、広告は最適化されます。たとえば、動画の再生数アップを目標に設定した場合、動画を視聴する可能性が高いユーザーに向けた広告になります。

広告セットでは、広告のターゲット、配置箇所、予算、掲載期間といった段取りを決めます。ターゲットの年齢、性別、地域を選択すれば、狙ったユーザーへ広告がリーチしやすくなるでしょう。また、予算や掲載期間については低予算、短期間で設定できますので、無理ないスケジュールで広告を配信することが可能です。

広告では、実際にターゲットへ表示される広告の形を選択します。アップロードした画像や動画を選び、テキストやボタンを追加することで、ターゲットに反応されやすい広告を設定可能です。

ところで、この3つのパーツは3層のツリー構造になっております。つまり、1つのキャンペーンに対して複数の広告セットを、1つの広告セットに対して複数の広告を紐付けられるのです。この構造を利用することで、あるキャンペーンに対して異なるターゲットを選択した広告セットをそれぞれ用意し、広告の成果を比較するABテストが容易に行なえます。

b.キャンペーンの目的について

広告を作成する前に、広告によって何を達成したいのか考え、把握することが重要です。なぜなら、目的によって広告を見たユーザーにとってほしい行動が変わるはずだからです。たとえば、認知度を上げることが目的であれば、広告を見てもらうだけでも成果となります。しかし、商品の売上を増やすことが目的になると、広告を見てもらうだけでなく、商品を購入する行動を取ってもらわなければ成果になりません。現段階で達成するべき目的に合った広告を出せるよう、今の自分のビジネスが果たすべき目標を見つめ直しましょう。

キャンペーンの目的は、大きく分けると3つに分類できます。

  • 認知度
  • 検討機会
  • コンバージョン

認知度は、あなたのビジネスを周知することが目的となります。ビジネスが初期段階であり、ブランドを認知してもらうことが必要であれば、このカテゴリの目的を選択すべきです。

検討機会は、あなたのビジネスを利用してもらうための興味付けをする目的です。自社のサイトへ誘導したり、動画を再生してもらったり、コメントやいいねを増やしてもらったりするといった目的は、このカテゴリに含まれています。

コンバージョンは、ビジネスの売上に直接つながる行動を目的としています。ビジネス内容に興味があるターゲットが、商品の購入やサービスの利用をするように促す広告が作成されます。

ビジネスの成長につれて、ビジネスの目的は変化していきます。そのため、一度キャンペーンを設定しても、キャンペーンの目的は定期的に見直すようにしましょう。

4. Facebookピクセルの設定方法

a.Facebookピクセルを貼る方法

Facebookピクセルとは、Facebook外のサイトでの顧客の行動を追跡する機能です。Facebookピクセルを利用することで、広告でページ移動したユーザーがコンバージョンしたかどうかを把握することも可能になります。これにより広告のターゲティング精度も向上にも繋がるでしょう。ですので、広告で外部サイトへ誘導する場合は、Facebookピクセルを設定しておきましょう。

まずは、Facebookピクセルを作成します。Facebookピクセルはイベントマネージャで作成、設定ができます。ビジネスマネージャのビジネスツールから、イベントマネージャを開きましょう。そして、左端のメニューから「データソースをリンク」(+マークのアイコン)をクリックします。続いて出る画面では「ウェブ」を選択し、次の画面では「Facebookピクセル」を選択します。すると、ピクセルの名前と、ウェブサイトのURLを入力する画面が表示されます。ピクセルの名前は必須ですが、URLはパートナー統合を利用できるか確認する必要がなければ未入力でも問題ありません。ピクセルの名前を入力して次の画面に進めれば、Facebookピクセルが作成されます。

このまま、Facebookピクセルがウェブサイトにリンクするために必要なコードを、ウェブサイトに埋め込んでいきましょう。ピクセルコードのインストール方法を、手動か、パートナー統合の利用か、どちらかを選ぶことができます。

手動を選択すると、ウェブサイトに埋め込むベースコードが生成されます。このコードをコピーし、ウェブサイトの<head>タグ内に埋め込んでください。すべてのページの</head>タグのすぐ上にコードが追加されるように貼り付けるといいでしょう。
パートナー統合を利用できるのは、Squarespace、Wordpress、Shopifyなどのサービスを使って作成したウェブサイトにFacebookピクセルを設定する場合です。画面の指示に従っていけば、コードの記述をすることなくFacebookピクセルを設定できます。

これで、コードの貼り付けが完了となります。念の為、正常にイベントを認識するかテストしましょう。イベントマネージャのメニューで「データリンク」を選択し、作成したFacebookピクセルの「テストイベント」タブからテストが行えます。テストを行うには、ブラウザーイベントのテスト欄にURLを入力し、「ウェブサイトを開く」ボタンをクリックします。開いたページで何かしらアクションをすれば、イベントマネージャの受信したイベントのリストにイベント名が表示されるはずです。たとえば、ウェブページを開いただけでも、PageViewイベントが受信され、リストに表示されます。
イベント名が表示されれば、Facebookピクセルは正常に貼り付けられています。もしイベント名がリストに表示されない場合は、ベースコードの挿入場所が間違っている可能性があります。コードの場所を再確認しましょう。

b.イベントコードを追加で貼る方法

Facebookピクセルをページに貼り付けるだけでは、望んだイベントを取得できません。たとえば、ページを開いたときのイベントはそのまま取得できますが、ボタンをクリックしたときに得られるイベントは未設定の状態です。そのため、ウェブサイトにイベントコードを追記し、トラッキングするイベントを増やす必要があるのです。

イベントコードを追記するには、イベント設定ツールを使うとわかりやすいでしょう。コーディングの知識がなくても、ボタンやイベントを選択すればイベントコードを追記することができます。イベント設定ツールを使うには、イベントマネージャでFacebookピクセルを選択し、「設定タブ」内の「イベント設定」にある「イベント設定ツールを開く」ボタンから移動します。ここで、イベント設定ツールを使用するウェブサイトのURLを聞かれるので、URLを入力してウェブサイトを開きましょう。すると、あなたのウェブサイトが表示されるとともに、Facebookイベント設定ツールが表示されます。
もし、テストイベントで受信に成功しているにもかかわらずURL入力時にエラーが表示される場合は、一度イベントマネージャを閉じ、開き直してみてください。

それでは、イベント設定ツールの使い方について説明していきます。イベント設定ツールでは、「新しいボタンをトラッキング」と「URLをトラッキング」の2つを設定できます。
新しいボタンのトラッキングをすると、ボタンをクリックしたときに、指定したイベントを受信できるようになります。これを設定するには、「新しいボタンをトラッキング」ボタンを押します。すると、画面全体が暗くなり、ボタンがハイライトで明るく表示されます。続いて、トラッキングしたいボタンをクリックすると、イベントタイプを選択するドロップダウンリストが現れます。選択できるイベントの詳細については、後ほど紹介するイベントコードの資料をご覧ください。イベントを選択すれば、ボタンへのイベントコードの追加が完了します。
URLのトラッキングを行うと、指定したURLのページを開いたときにイベントを受信するようになります。「URLをトラッキング」ボタンをクリックして開く設定ウインドウに、イベントとURLを入力しましょう。これで、イベントコードが追加できます。

必要なボタン、URLにイベントが設定できたら、イベントマネージャからテストイベントを実行し、意図したとおりにイベントを受信できるか確認しておきましょう。

さて、ここまでイベント設定ツールを使ったイベントコードの追加方法を説明してきましたが、他にもイベントコードを追加する方法があります。それは、自動的に設定する方法と、コードに直接書き込む方法です。
自動的にイベントを設定するには、ピクセルの「設定」内にある「コードを使用せずにイベントを自動的にトラッキングする」設定をオンにします。これだけで、ウェブサイトからイベントを設定するボタンなどを自動的に検出し、イベントが設定されます。自動設定したうえで、手動でイベントコードを追加することも可能です。
もう1つの方法は、ウェブページに埋め込んだベースコード内にイベントコードを直接書き込みます。人によっては、イベント設定ツールを使うより設定しやすい方法になるかもしれません。下記のリンク先は、イベントコードの資料です。「標準イベント」の項目を参考にしてください。

リンク:Facebookピクセル標準イベントの仕様

c.Facebookピクセルヘルパーをインストールする方法

Facebookピクセルヘルパー(Facebook Pixel Helper)とは、ウェブサイトでピクセルが正常に動作しているか確認するために使うツールです。ピクセルでエラーが発生しているかどうかを調べ、トラブルシューティングをするのに役立ちます。また、ピクセルで収集している情報を確認することも可能です。

Facebookピクセルヘルパーは、ビジネスマネージャで用意されているツールではありません。Google Chromeなどのブラウザにインストール可能な拡張機能です。そのため、Chromeウェブストアから入手します。Chromeの拡張機能に対応したブラウザを使って、下記リンクから追加してください。対応していないブラウザを使っていると、機能を追加するボタンは表示されません。

リンク:Chromeウェブストア – Facebook Pixel Helper

入手に成功すれば、URLバーの横にアイコンが追加されます。このアイコンをクリックすることで、別ウインドウでピクセルヘルパーが起動します。あとは、この状態でウェブサイトを開いてイベントを起こせば、ピクセルヘルパーへピクセルに関する情報が表示されるようになります。

d.カスタムコンバージョンの設定方法

イベントマネージャでは、カスタムコンバージョンの設定を行うことも可能です。カスタムコンバージョンの設定を行えば、決めたルールにあてはまるコンバージョンのみ測定できます。たとえば、すべての購入のうち1万円以上の商品だけ測定できるようになります。これにより、1万円以上の商品を購入するユーザーに向けて広告を配信するといったような広告配信の最適化に繋がります。

それでは、イベントマネージャのメニュー「カスタムコンバージョン」からカスタムコンバージョンを設定していきましょう。カスタムコンバージョンで設定する内容は、以下のとおりです。

  • 名前
  • 説明
  • データソース
  • コンバージョンイベント
  • (最適化のための標準イベントを選択)
  • ルール
  • コンバージョン値

名前と説明は、カスタムコンバージョン自体のものです。わかりやすい様に設定しましょう。 データソースには、ルールを設定するピクセルを選択します。 コンバージョンイベントには、ルールを設定するイベントを選択します。ウェブサイトにあらかじめ設定しているイベントが選択できます。イベントを設定していない場合は、「すべてのURLトラフィック」を選択することも可能です。 コンバージョンイベントで、カスタムイベントもしくは「すべてのURLトラフィック」を選択した場合は、最適化のための標準イベントを選択する必要があります。ここで選択したイベントに関するアクションを取る可能性が高いユーザーに、広告を配信できるようになります。 ルールには、カスタムコンバージョンの対象となる条件を設定します。入力したURLもしくは参照ドメインをもとに範囲が設定できます。+マークをクリックすることで、複数ののルールが指定可能です。 コンバージョン値には、コンバージョンの金額範囲を限定する場合に参照する値を入力します。単位は自動的に決定されるので、入力できるのは半角数字のみとなります。

以上の入力を終えれば、カスタムコンバージョンは作成されます。作成時に、さらに作業を促す表示が現れますが、そのまま完了して問題ありません。カスタムコンバージョンはルールで設定したURLをもとにイベントを受信するため、イベント設定ツールを使ってイベントコードを追加する必要もありません。この性質をうまく利用することで、通常イベントと同等のカスタムコンバージョンを作成することも可能です。

5. オーディエンスの選定方法

a.オーディエンスとは?

オーディエンスとは、Facebook広告においてはターゲティング設定のことを指します。年齢や性別といったターゲット像を、オーディエンスとして保存できます。 保存したオーディエンスは広告セットに紐付けることが可能です。さらに、Facebook Business Suiteのインサイト機能を使ってオーディエンスの詳細を分析できるようになります。そのため、オーディエンスを設定すれば、広告ターゲットの設定や分析が効率的に行なえるでしょう。

また、オーディエンスには種類があります。通常のオーディエンスとは別に、カスタムオーディエンスと類似オーディエンスが設定可能です。
カスタムオーディエンスは、あなたが所有しているサービス、あるいはFacebookで公開している動画やサービスの利用状況をもとに作成できるオーディエンスの設定です。これにより、あなたのサービスを利用している顧客へ、Facebook広告を配信しやすくなります。
類似オーディエンスは、Facebookピクセルやカスタムオーディエンス設定をもとに、行動が近いユーザーをターゲットに設定するためのオーディエンス設定です。保存済みのオーディエンスやカスタムオーディエンスと掛け合わせることで、既存のオーディエンスに近い性質の新規顧客をターゲットにできます。

b.オーディエンスの設定方法

オーディエンスを設定するには、ビジネスツールの「オーディエンス」を選択します。そして、オーディエンスで「保存済みのオーディエンスを作成」ボタンをクリックすれば、設定画面になります。すでに何かしらのオーディエンスが保存されている場合は、一覧左上の「オーディエンスを作成」>「保存済みのオーディエンス」を選択してください。

設定画面では、ターゲットにする層の特徴を順に入力していきます。オーディエンス名に管理しやすい名前を付け、ターゲットの詳細を設定しましょう。カスタムオーディエンスには、条件に加えるカスタムオーディエンスや類似オーディエンスが入力できます。また、「除外」ボタンをクリックすれば、除外条件としても入力可能です。
全ての入力が終わったら、右下の「保存済みのオーディエンスを作成」ボタンを押すことでオーディエンスが作成、保存されます。保存した後も編集できるので、あとで条件を追加したり削除したりするのも簡単です。

c.カスタムオーディエンスの設定方法

カスタムオーディエンスを作成するときは、「オーディエンスを作成」>「カスタムオーディエンス」を選択します。そして、顧客情報を得るソースを選択することで、カスタムオーディエンスが設定されます。

選択できるソースは多岐に渡ります。
ウェブサイト
カスタマーリスト
アプリアクティビティ
オフラインアクティビティ
Facebookの動画
Instagramアカウント
リード獲得フォーム
イベント
インスタントエクスペリエンス
Facebookページ
ショッピング
Facebook上の商品

ソースの種類を選ぶと、選んだ種類ごとに詳細を設定していくことになります。たとえば、ウェブサイトであれば対象となるピクセル、イベント、そしてリテンション(ユーザーがオーディエンスに残る期間)の選択が必要です。これらを選択すれば、リテンションで設定した期間内にウェブサイトで指定のイベントを起こしたユーザーの情報を設定したカスタムオーディエンスが作成できます。

d.類似オーディエンスの設定方法

オーディエンス画面の「オーディエンスを作成」>「類似オーディエンス」から類似オーディエンスが作成できます。類似オーディエンスは4つの項目を選択することで作成します。 ソースを選択 (バリューベースのソースを選択した場合)バリューのあるイベント ターゲット地域を選択 オーディエンスサイズを選択

ソースは、広告アカウントに登録されているピクセル、Facebookページ、オーディエンスなどから選択できます。選択できるソースは、「バリューベースのソース」と「その他のソース」の2つにタブ分けされています。
ソースで「バリューベースのソース」を選択した場合は、バリューのあるイベントを選択する必要があります。購入イベントが推奨として選択されていますが、横にあるその他のイベントにチェックを付ければ、他のイベントも選べます。
ターゲット地域は、国名を直接入力して探すこともできますし、検索ボックス右部にある参照をクリックして選択することもできます。
オーディエンスサイズは、類似するオーディエンスとして指定する範囲になります。数値が大きいほどオーディエンスの対象とサイズが拡大されます。それと同時に、ソースから離れた性質のユーザーも対象に含まれやすくなるので、注意が必要です。また、数値を段階的に分けた類似オーディエンスを作るのであれば、「類似オーディエンスの数」を増やしましょう。たとえば、類似オーディエンスの数を2にすることで、オーディエンスサイズが0~1%の類似オーディエンスと、1~2%の類似オーディエンスが作成できます。

6. 実際の広告を流してみよう!

a.Facebook広告を流すために必要な素材 実際に広告を作成する前に、広告に使う素材を準備しましょう。必要な素材は、テキストとメディアです。

テキストには、「メインテキスト」と「見出し」と「説明」の3要素があります。推奨文字数は、それぞれ125文字以内、25文字以内、30文字以内となっております。メインテキストが広告として大きく表示され、見出しと説明は広告形式によっては表示されないこともあります。
メディアには、画像か動画が使えます。画像に使えるファイル形式は、JPGもしくはPNGファイルで、動画に使えるファイル形式はMP4またはMOVまたはGIFファイルです。

さて、メディアを用意するときに問題となりやすいのが、画像内のテキスト量の割合と、アスペクト比(横:縦の比率)です。
画像内テキストは、結論からいうと画像の20%以上を占めるべきではありません。以前は存在したFacebookからのペナルティは、2020年9月に無くなったため、画像テキストの制限はありません。しかしテキスト量が20%を超える画像は宣伝効果が低くなるというデータがFacebook公式からアナウンスされています。極力20%を超えないようにしたほうがいいでしょう。
アスペクト比については、広告の配置箇所によって異なります。たとえば、フィードに配置する広告には正方形となる1:1が、ストーリーズに配置する広告には縦長となる9:16が推奨されています。画像、動画にかかわらず、以下のアスペクト比のものをいずれか用意するとよいでしょう。

  • 1:1(正方形、フィードでの表示に推奨)
  • 4:5(正方形に近い縦長、フィードで表示する動画に推奨)
  • 1.91:1(細い横長、検索結果での表示に推奨)
  • 16:9(横長、インストリーム動画での表示に推奨)
  • 9:16(縦長、ストーリーズやアプリ内広告での表示に推奨)

配置とアスペクト比の関係については、下記のリンク先でまとめられています。

リンク:広告マネージャの各配置でサポートされるアスペクト比

ちなみに、画像は

b.FacebookとInstagramで反応が良い広告素材の事例

ユーザーが広告を見るとき、一番はじめに目が行くところがメディア部分です。画像や動画によって関心を持つことで、テキストを読んだり、リンクをクリックしたりといった行動に繋がるわけです。つまり、反応が良い広告素材を用意することは重要だといえます。

  • 反応がよかった広告素材の例として、以下のような要素が含まれたものが挙げられます。
  • ユーザーの悩みを解決できることを伝えている
  • 他の類似品にはない点をアピールしている
  • 常識を覆す内容である
  • 広告らしさがない

以上の4点のいずれか、あるいは全ての要素を画像で示すことができれば、ユーザーからの反応がいい広告素材となります。

1点目は、ユーザーがどんな利益を得られるか、すなわちベネフィットを示すことです。「この商品はこんな効果があります」と説明するだけでなく、「この商品であなたのこんな悩みが解決できます」と伝えましょう。そうすることで、ユーザーに響きやすい内容になります。

2点目は、商品がいかに他と違うかを伝えることです。他の商品でも代用できそうだと思われれば、その場で興味は失われるでしょう。そうならないよう、あなたの商品のユニーク性を知ってもらう必要があります。

3点目は、今までユーザーが持っていた概念を崩すことです。今までのユーザーの考えからは想像だにしなかった内容を見れば、ユーザーが興味を持つ可能性は高くなります。

4点目は、あからさまに広告であると感じさせないことです。広告で売り込みをかけてきていると思われると、ユーザーは警戒してしまいます。テキスト量が多すぎる画像も、警戒心に繋がりかねません。そのため、画像では商品について語りすぎないように、あくまで興味付けに留まらせるとよいでしょう。

c.広告で流すランディングページについて

広告をクリックしたときの移動先ページを、ランディングページまたはLPといいます。 通常、LPは商品の説明および販売ページにすることが大半です。なぜなら、Facebook広告を利用する主な目的が、コンバージョンを促すためだからです。しかし、商品を販売するページの前に、商品に関する悩みについての記事をLPにした方がいい場合もあります。LPを見るのは興味を惹かれたからであり、購入を決めているからではないのが、その理由です。ですので、広告からすぐに販売へ結びつけるのではなく、商品への興味付けを強めるためのワンクッションを置く戦略も頭に入れておくとよいでしょう。

そして、当然ながら、広告とLPの内容がかけ離れないようにするべきです。たとえば、ある悩みについて解決できると書いた広告であれば、その悩みが解決できるLPにするとよいということです。広告の主題とLPの主題との間に違和感があると、ユーザーは不審感を抱いてしまい、コンバージョンが難しくなります。信用ならない広告、LPだと思われないよう、広告とLPには一貫性を持たせましょう。

d.広告の出稿方法1(キャンペーン・広告セット)

広告素材とLPの準備ができたら、いよいよFacebook広告の作成にとりかかります。FacebookページやFacebook Business Suiteから広告を作成することも可能ですが、ここでは広告マネージャを使って作成する方法を説明します。

まずは、キャンペーンを作成します。広告マネージャの「キャンペーン」で「+作成」ボタンをクリックし、作成するキャンペーンの目的を選択しましょう。すると、新たなキャンペーン、広告セット、広告が作成され、そのままキャンペーンの設定画面に移ります。

キャンペーンで設定できる項目は、以下の通りです。

  • キャンペーン名
  • 特別な広告カテゴリ
  • キャンペーン詳細
  • A/Bテスト
  • キャンペーン予算の最適化

特別な広告カテゴリでは、あなたの広告が社会問題または政治に関する内容である場合、それを申告します。申告するとともに、本人確認もする必要があります。 キャンペーン詳細では、キャンペーン作成時に設定した目的を変更できます。また、キャンペーンの上限予算を追加し、このキャンペーンに紐付く広告セットの合計予算を管理することが可能です。 A/Bテストでは、設定が異なるキャンペーンとの成果比較をするための設定になります。キャンペーンを公開した後に設定可能です。 キャンペーン予算の最適化では、各広告セットへの予算配分を最適化し、より多くの成果が出るようコントロールするための設定ができます。

キャンペーンの設定ができたら、右下の「次へ」ボタンをクリックして広告セットの設定に移ります。広告セットでは、以下の項目が設定できます。

  • 広告セット名
  • ページ
  • ダイナミッククリエイティブ
  • 予算と掲載期間
  • オーディエンス
  • 配置
  • 最適化と配信

ページには、宣伝するときに使うFacebookページを選択します。広告をクリックしたときの移動先は、別の項目で設定できます。 ダイナミッククリエイティブとは、広告にあらかじめ登録した複数のメディアやテキストを組み合わせ、広告を自動的に生成する機能です。メディアの登録は広告の設定時に行いますが、広告セットではこの機能を使うかどうかを選択します。 予算と掲載期間では、広告に使う予算と、広告を配信する時期を設定します。 オーディエンスでは、広告を配信するターゲットを設定できます。設定する内容は、ビジネスツールの「オーディエンス」で保存済みのオーディエンスを作成するときと同じです。また、すでに保存しているオーディエンスを選択することも可能です。 配置では、広告を配信するプラットフォームと配置箇所を設定します。手動で選択することも可能ですが、自動配置を選択するのを推奨されています。 最適化と配信では、配信を最適化するために設定可能な項目が表示されます。キャンペーンの目的によって選択できるものが変わり、目的によっては選択自体できない場合もあります。選択できる対象については、以下のリンク先でまとめられています。

リンク:各目的で利用可能な広告配信の最適化対象

e.広告の出稿方法2(広告クリエイティブ)

広告の設定では、広告名、表示する名前、広告に使うメディアとテキスト、言語、トラッキングするイベントが設定できます。そのなかでも重要なのが、広告に使うメディアとテキストです。広告設定のクリエイティブという項目で設定します。

クリエイティブではメディアを追加することで、画像や動画を広告に表示できます。画像や動画をそのまま広告に使えますし、1枚もしくは複数の画像をスライドショーで動画にすることも可能です。メディアを追加すれば、広告のプレビューが表示されます。これにより、それぞれの配置ごとに広告がどう見えるかを確認できます。

また、入力したメインテキスト、見出し、説明のテキストも、プレビューに反映されます。これらのテキストはすべての配置に対して適用されますが、それぞれの配置に固有のテキストを設定することも可能です。配置によって表示されないテキスト文もあるので、一度はテキストを含めたプレビューを見ておきましょう。

f.広告の出稿方法3(広告クリエイティブを複数設定をする方法)

広告セットの設定でダイナミッククリエイティブの項目をオンにしていれば、クリエイティブで複数のメディアを設定できます。そして、広告を表示するときに設定したなかから自動的にメディアが選択され、広告を見せるユーザーに合わせた広告が作成されます。この機能を使うことで、1つのメディアだけで広告にするよりユーザーへのアプローチの幅が出やすくなります。そのため、なるべくダイナミッククリエイティブを利用し、複数のメディアを設定するようにしましょう。

ちなみに、テキスト文も5つまで設定できます。テキスト文はダイナミッククリエイティブの設定に関係なく複数の設定が可能です。メディアとテキスト文の両方を複数用意することで、ユーザーに合った画像とテキストが組み合わされた広告が自動的に作られます。

g.広告の出稿方法4(広告セットを複製して複数のオーディエンスに流す方法)

広告セットに設定できるオーディエンスは、1つの広告セットに対して1つだけです。複数のオーディエンスへ同じ内容の広告を配信するには、広告セットを複製しましょう。

複製を行うには、広告セットの一覧画面で、複製したい広告セットのチェックボックスにチェックを付け、一覧上部の「複製」ボタンを押します。すると、複製される広告セットと紐付けるキャンペーンを選択する画面が表示されます。広告を変えずに広告セットの設定だけ変えたいのであれば、「元のキャンペーン」を選択するとよいでしょう。あとは「複製する」ボタンをクリックすれば、一覧へ複製された広告セットが追加されます。このとき、複製元の広告セットに紐付いていた広告も同様に複製されます。複製された広告セットの名前とオーディエンスを変更し、さらなるユーザーへ広告を配信しましょう。

ちなみに、年齢と性別を変更した広告セットを複製したいときに便利な機能があります。「複製」ボタンの横にある三角ボタンから「オーディエンスを分割」を選択すれば、複製前と複製後の広告セットの年齢層、性別を設定したうえで広告セットを複製できます。右下の「広告セットを追加する」から、複製したい数だけ広告セットを追加し、ターゲット層を変更してください。

h.広告の審査に通らない場合の対処法

広告を公開するには、Facebookの審査を通過しなければなりません。広告を公開設定にすることで審査は開始され、審査を通過してはじめて広告が公開されます。広告は通常24時間以内に結果が出ますので、広告が公開されたか必ずチェックしましょう。

もし、審査を通過できなかった場合は、広告の設定を変更する必要があります。審査の判断基準は、広告ポリシーに反していないかどうかです。ポリシーの中でも特にやってしまいがちな項目が、誤解を招くような主張です。たとえば、「絶対効果がある」「世界で一番」「唯一の」などの単語はつい使ってしまうワードです。他にも、未成年は禁止されている製品のターゲットに未成年を指定するのはポリシー違反になります。こういった問題を探し、修正してください。

リンク:Facebook広告ポリシー

ただし、ポリシーを遵守していても審査に落ちる場合があります。機械で審査を行う部分があるため、誤審査されることがあるようです。もし、ポリシー違反していないのに審査に落ちたのであれば、審査の異議申し立てをしましょう。異議の申し立ては、「アカウントのクオリティ」メニューの「アカウントの問題」から行えます。

https://www.facebook.com/accountqualityリンク:アカウントの問題

i.広告コピーの定番の型

ポリシー違反にならないように広告のキャッチコピーを書くのが難しいという人は、定番となる型をいくつか知っておくとよいでしょう。型を知ることで、成果が出るコピーを書きやすくなります。

型としてよく利用されているのは、以下の様なコピーです。

  • 新しさを表現するコピー
  • 時間を入れたコピー
  • 価値を教えるコピー
  • ストーリーを伝えるコピー
  • 語りかける様なコピー

新しさを表現するコピーは、常に新しい情報を求める人の興味を惹きやすいコピーです。例として、「~が登場!」「~を発表!」「新商品の~」などが挙げられます。 時間を入れたコピーは、いつの情報か明確にし、臨場感や期待感を与えます。「○月○日限定」「春の定番」「~年から続く人気」のようなコピーが考えられます。 価値を教えるコピーは、どの様なベネフィットを得られるか教えることで行動を促します。「この商品が~円です」「今なら○%OFF!」「なんと無料で提供中!」の様なコピーが該当します。 ストーリーを伝えるコピーは、物語性をほのめかすことで詳細が気になるように仕向けるコピーになります。「これを使って~ができるように」「だから私は~します」「~だった私を変えたものは・・・」といったコピーで興味を惹きましょう。 語りかける様なコピーは、広告を見た人が自分に対して声をかけていると感じさせます。たとえば、「~を使っているあなたへ」「最近~で悩んでいませんか?」「助けてください!~です」の様に、目の前に相手がいると思って書いてみるとよいでしょう。

7. 広告の結果の確認と改善方法

a.絶対に知っておくべき広告用語解説

マーケティング用語はアルファベットの略語で書かれることが多く、用語を覚えるのは一苦労です。そんな用語の中で、絶対に覚えておきたいのは「CPC」と「CPM」です。なぜなら、この2つはFacebookでかかる費用に関わる指標であり、広告の有用性を調べるのに必要となるからです。

1つ目の用語であるCPCとは、Cost Per Clickの略語です。1クリックを獲得するのに必要な費用を指し、クリック単価とも言われます。費用をクリック数で割った数で算出します。例をあげると、10000円の費用をかけてクリック数が50回だった場合、CPCは10000÷50=200円です。

2つ目の用語であるCPMとは、Cost Per Milleの略語です。ウェブ上での広告表示(=インプレッション)1000回あたりの費用を示す指標となります。インプレッション1回あたりの費用ではないので、注意しましょう。

Facebookにおける広告の費用は、大きく分けると2種類の課金方法になります。それは「クリック課金」と「インプレッション課金」です。クリック課金は広告がクリックされるたびに課金が発生し、インプレッション課金は1000回広告が表示されるごとに課金が発生します。これらの課金方法は自分で選択できますが、キャンペーンの目的によっては選択できない場合もあります。選択できる場合は、広告セットの設定で、最適化と配信のその他オプションで設定します。

それぞれの課金形式に応じてCPC、CPMを確認し、広告の結果がどの程度なのか把握することが大切になります。

b.広告結果表示画面のカスタマイズ方法

デフォルトの状態では、広告マネージャの一覧画面に表示されていない項目があります。CPCやCPMも、デフォルトでは表示されていません。表示するデータを変更したい場合は、一覧をカスタマイズしましょう。

一覧画面に「列:パフォーマンス」というドロップダウンリストがあります。これをクリックすると、表示する列のプリセットが選択できます。表示したいデータを列に含んだプリセットを選択しましょう。

もし、見たいデータが表示されるプリセットがなければ、「列をカスタマイズ」を選択することで表示する列を選ぶことが可能です。選択できる列がどういうものか分からなかったとしても、列の名前にカーソルを合わせることで説明文が読めます。必要な列を選び、一覧表をカスタマイズしましょう。カスタマイズした列の並びは、新たなプリセットとして保存もできます。

ところで、広告の結果をレポートとして作成することもできます。広告一覧の右上にある「レポート」ボタンから、「カスタムレポートを作成」もしくは「標準レポート」のいずれかを選択すると、レポート画面が表示されます。レポート画面で表示する内容は、画面右側のリストから項目を選択できます。こうして作成したレポートは、保存、リンクのシェア、エクスポートが可能です。

c.広告の結果を確認する方法

前項でお伝えしているとおり、広告の結果は広告マネージャの一覧で確認できます。結果の単価が広告の売上に、消化金額が広告費用にあたります。それぞれの金額を確認し、広告の結果を評価しましょう。そして、広告を見たユーザーの数を把握するためにも、クリックした数やインプレッション数もチェックしておくとよいでしょう。

これら以外にも確認しておきたい項目はあります。CPCとCPMは、広告の結果として見ておきたい項目です。広告マネージャでCPCとCPMを確認する場合、プリセットの「パフォーマンスとクリック数」などを選択しましょう。

CPCはクリックの単価なので、数値が低いほど良い結果といえます。たとえば、CPCが100円の広告は、1クリックを100円で買っている状態です。これに対し、CPCが200円の広告というのは、1クリックを200円で買っています。つまり、CPC100円の広告のほうが安い値段で多くのクリックを得られているのです。安いほうが良いというのは、CPMも同様です。

他にも、CTR(Click Through Rate)など参考にすべき項目はあります。CTRは広告のリンクをクリックした割合です。CTRの値が高いほど、表示されればクリックされやすい広告だといえます。この様な項目をすべて一覧で確認できるよう、一覧の列のカスタマイズをすることをお勧めします。

d.実際の広告の結果を公開

企業で広告を出す場合など、広告管理者以外の人に広告の結果を共有したい場合があるかと思います。そういった場合、2つの共有方法があります。データをエクスポートする方法と、広告マネージャへアクセスしてもらう方法です。

データをエクスポートすれば、エクスポートデータをメールなどで送信できます。広告マネージャの一覧画面でエクスポートしたい行を選択し、一覧の上にある「その他」から「選択されたアイテムをエクスポート」もしくは「すべてをエクスポート」を選択することで、xlsxやcsvの形式でエクスポートが可能です。

広告マネージャにアクセスしてもらう場合は、広告アカウントにユーザーを追加し、広告マネージャにアクセスする権利を与える必要があります。このとき、アクセス許可を「パフォーマンスを確認」にだけ設定することで、レポートなどを見る権限だけ与えることが可能です。権限を与えたら、広告マネージャへのリンクを渡してアクセスしてもらいましょう。広告マネージャの一覧右上にある「レポート」から「リンクをシェア」を選択すれば、広告マネージャへのリンクが発行されます。

e.広告の反応が悪い場合の対処方法

広告の効果が良くないと感じたら、設定を見直す必要があるかもしれません。ただし、設定の見直しを考えるのは、データが収集できたうえで一定期間運用してから検討しましょう。広告セットの状態が「情報収集中」の場合や、広告を公開して間もない場合は、設定を見直す前に成果があがってくるのを待つべきです。

広告の改善すべき点としては、目的やクリエイティブ広告、オーディエンスなどの設定が考えられます。それらの中でも、オーディエンスの設定は特に気をつけたい点です。オーディエンスの設定を間違えると、広告を届けるユーザー自体が存在しない、ということになりかねません。

オーディエンスの設定でありがちなミスは、以下の通りです。
ターゲットを絞りすぎている
細かく分割しすぎている
実際のターゲットとの相違がある
対象となるユーザーが被っている

まず、ターゲットを絞りすぎるのはよくありません。ターゲットの条件を付けすぎて対象が少なくなりすぎると、そもそも広告を出すタイミングが無くなっていきます。
次に、オーディエンスを細かく分割しすぎてもいけません。分割自体はするべきですが、あまりにも細かく分割すると、成果が分散してしまいます。その結果、広告の効果が少ない広告セットができてしまう可能性があります。
そして、実際のターゲットと、オーディエンスで設定したターゲットが異なっているのも、広告効果の低下につながります。先入観でターゲットを決めつけず、狙った市場の見込み客をしっかりリサーチする必要があるでしょう。
最後に、複数のオーディエンスでターゲットが被っている場合もオーディエンス設定を変えましょう。ターゲティングが被ると、2つのオーディエンスが広告の配置場所を取り合い、片方の広告の効果が落ちることもありえます。

これらの問題点を改善することで、広告効果の改善が見込めます。設定を変更し、改めて広告を公開してみましょう。

f.流している広告のオーディエンスを変える方法

広告のオーディエンスを変更するときは、広告公開前と同様に、広告セットの設定画面で行います。設定を変えたい項目を修正すれば、そのまま公開中の広告に反映されます。ただし、広告セットの状態が「情報収集」のときにオーディエンスの設定を変更すると、はじめから情報収集をし直すことになるので、注意しましょう。

また、保存済みのオーディエンスを使用している場合は、保存済みのオーディエンスに変更が反映されます。つまり、広告Aと広告Bで保存済みのオーディエンスXを使用しているときに広告Aのオーディエンスを変更した場合、オーディエンスXの内容が変更され、広告Bのオーディエンス設定も変わるということです。この様な状態で広告Aだけ変更したい場合は、広告AでオーディエンスXを使うのをやめ、別のオーディエンスを設定しましょう。

g.反応が良い広告をスケールする方法

「スケールする」とは、物事の規模を大きくする、拡大させるといった意味のベンチャー用語です。反応が良い広告が作れたら広告をスケールさせ、より効果のある広告に最適化していきましょう。

たとえば、目的の変更を検討してみましょう。ブランドの認知度アップの目的を達成できたとしたら、トラフィックなどの検討カテゴリに目的を変更することで、コンバージョン数が改善される可能性が出てくるでしょう。

他の方法として、クリエイティブ広告の画像を差し替える方法が考えられます。複数の画像を利用している場合、表示されていない広告の画像を別のものに変更することで、広告の効果が改善されることもあります。

これらの方法以外にも、オーディエンスを分割させてターゲットを絞る方法があります。20~40才にターゲティングしているオーディエンスを20~30、30~40に分割し、それぞれを比較するA/Bテストを行いましょう。大きく差が出た場合は、片方のオーディエンスを除外することで広告の効果を向上させられます。

8. その他の主要な広告の出し方

a.トラフィック広告の出し方

トラフィック広告は、指定したサイトやアプリへ誘導するために使う広告です。トラフィック、すなわち誘導先へのアクセス量を増やし、サービス利用の検討を促します。

比較的安価な広告になりやすいので、利用される機会が多い広告です。ただし、トラフィック広告はあくまでトラフィックを増やすための広告です。商品の購入を促す様な広告では、大きな効果は得られません。そのため、クリックしたくなるような広告を作成することを心がけましょう。

キャンペーンの目的を「トラフィック」に設定すれば、トラフィック広告を出すことができます。目的をトラフィックにすると、広告セットの設定で広告のリンク先を選べます。リンク先には、ウェブサイト、アプリ、Messengerスレッド、WhatsAppのいずれかを選択できます。

b.エンゲージメント広告の出し方

エンゲージメントとは、Facebookでは「いいね!」、シェア、コメント、クリックの様なアクションのことを指します。このエンゲージメントを増やすための広告が、エンゲージメント広告です。エンゲージメントを増やすことで、SNSの特徴を活かして情報を拡散しやすくなります。

エンゲージメント広告を作る際には、コンバージョンについてはあまり考えないようにしましょう。あなたが提供するサービスのファンを増やすのが、エンゲージメント広告です。有用な情報を伝えることで、思わず「いいね!」したくなる様な広告を作成するとよいでしょう。

エンゲージメント広告には、キャンペーンの目的を「エンゲージメント」に設定しましょう。すると、エンゲージメントタイプが選択できます。以下の3つから、目的に合ったタイプを選びましょう。

  • 投稿のエンゲージメント
  • ページへの「いいね!」
  • イベントへの参加者を増やす

宣伝するページについては、広告セット設定の「ページ」で選択します。

c.動画の再生数アップ広告の出し方

動画の再生数アップ広告は、その名の通り動画の再生数を増やすために使います。広告で設定した動画を視聴してもらうための広告が作成できます。

広告の動画は、画面に表示されれば無音で自動的に再生されるので、視聴してもらいやすいといえます。ただし、それはユーザーが意図しない再生なので、開始数秒で興味をもってもらえなければ離脱されてしまいます。また、音声がなくても動画の意味が伝わらなければ、再生されても意味がありません。これらの問題を解決するには、音がなくても開始数秒で興味を持ってもらえる動画を用意する必要があります。ちなみに、動画時間を15秒以内にすれば、動画間の広告等で広告動画が全部再生されるように設定できます。

この種類の動画を作るのであれば、キャンペーンの目的を「動画の再生数アップ」に設定しましょう。広告に使う動画は、広告設定のクリエイティブで設定します。動画の代わりに、複数の画像を使ったスライドショーを設定することも可能です。

d.リード獲得広告の出し方(初心者にお勧め!)

リード獲得広告は、リード(メールアドレスや氏名等の顧客情報)を獲得するための広告です。顧客情報のリストは、ビジネスを進めていくうえで重要になります。たとえば、新しいサービスを始める際に、顧客リストに書かれている見込み客へアプローチができます。十分な顧客情報を持っていない初心者には、特にお勧めしたい広告です。

リード獲得広告では、ユーザーにデータを入力してもらうフォームを作成できます。フォームはFacebook内で処理されるため、入力する項目がFacebookで登録されているものであれば自動入力されます。そのため、Facebookの登録情報でない項目はなるべく減らし、ユーザーが入力する手間をなくすのがよいでしょう。

リード獲得広告を作成するには、キャンペーンの目的に「リード獲得」を選び、広告セット設定でリード方法を選択しましょう。リード方法は、「インスタントフォーム」か「電話」が選択できます。
インスタントフォームを選ぶと、ページを設定するときに利用規約に同意する必要があります。データの取り扱いに関するものなので、よく読んだ上で同意してください。そして、フォームの入力内容は、広告の設定にあるインスタントフォームから作成します。フォーム作成にはプライバシーポリシーのページや入力後のサンクスページが必須なので、あらかじめ用意しておくのがよいでしょう。
電話を選んだ場合は、広告設定のクリエイティブで電話番号を入力できます。

e.リード獲得方法をZAPIERで海外メール配信ツールと連携する方法

リード獲得広告は、Zapierを使って他サービスと連携できます。Zapierで連携させることで、マーケティング活動を自動化させられます。たとえば、獲得したリードをメール配信ツールへ送り、リードから得たメールアドレスへメール送信するといったことも可能になります。ここでは、HubSpotとの連携を例にして説明します。

連携させるための準備として、ZapierとHubSpotでアカウントを取得する必要があります。先にアカウントを用意しておきましょう。さらに、Zapierでリード獲得広告を連携させるには、Professional以上の有料プランを利用しなければなりません。また、連携させる広告に対して全権限を持っているアカウントが必要になります。

準備ができたら、Zapierのメニューにある「MAKE A ZAP」ボタンから、Zapを作成していきます。Zapとは、サービスとサービスを繋げる連携設定を指します。ZapはTrigger(トリガー)とAction(アクション)で構成されています。Triggerに動作のきっかけとなる動作を設定し、Actionに実行する動作を設定します。これにより、Triggerとなる動作が起きたタイミングで、Actionの動作が自動的に行われるようになります。

まずは、Triggerの設定を行います。TriggerにはFacebook広告でのリード獲得を設定しましょう。アプリには「Facebook Lead Ads」を選び、広告を使っているアカウント、ページ、フォームを入力していきます。そして、テストを行なって成功すれば設定終了です。

次に、Actionの設定をします。アプリにはHubSpotを選択し、アカウントを入力します。この後は実行する動作を選びますが、選べる動作はかなり多くあります。必要な動作を探し、選択しましょう。たとえば、連絡先を追加するZapを作成する場合は「Create Contact」を選択します。あとはリードとHubSpot間でデータの紐付けを行い、テストをすれば設定終了となります。

ついでに、他の動作も同時に行わせたい場合は、+ボタンをクリックしてActionを追加しましょう。たとえば、Gmailと連携させることで、フォームに入力したユーザーへサンクスメールを送れます。他にも、Google Sheetsと連携させてリード情報を追記させることも可能です。

設定が終わったら、右上にあるOFFボタンを切り替え、Zapを起動させましょう。これで、連絡先の取得等のActionが自動的に行われます。メンテナンス等をする時には、OFFにしたボタンを戻して動作を止めることもできます。

9. リターゲティング広告の出し方

a.リターゲティング広告とは何か?

リターゲティング広告とは、すでにあなたのサービスに関わったことがある人に対してターゲティングすることです。つまり、一度は広告に触れていたり、サイトに訪れたりしたことがある人に対して広告を出すのです。全くの新規ユーザーに比べるとサービスへの知識があるので、コンバージョンに繋がりやすいメリットがあります。

Facebook広告でのリターゲティングは、さらに有利なメリットがあります。それは、Facebookでのエンゲージメントやプロフィールを参照したリターゲティングが可能だという点です。また、リターゲティング対象の類似オーディエンスを作成することで、ターゲットに近い属性の新規ユーザーへアプローチできるという強みもあります。

b.リターゲティングオーディエンスの作成方法

リターゲティング広告のオーディエンスは、カスタムオーディエンスから作成できます。ビジネスツールの「オーディエンス」で、カスタムオーディエンスの作成を選択しましょう。カスタムオーディエンスを作成するには

いくつか例を挙げていきます。
ウェブサイトへアクセスした人をターゲットにする場合は、ソースにウェブサイトを選択しましょう。イベントを「特定のウェブページにアクセスした人」とし、リテンションを120日に設定すれば、特定のウェブページへアクセスしてから120日以内のユーザーがオーディエンスに設定されます。
顧客リストを持っている場合は、カスタマーリストをソースに選びましょう。表示される説明文を読み進め、リストをアップロードすることで、顧客リストのデータに該当するユーザーをオーディエンスに設定できます。
Facebookでの行動をもとにオーディエンスを作成する場合は、Facebookのソースカテゴリから該当するソースを選択しましょう。ソースに動画を選択すれば、動画を一定以上視聴したユーザーがオーディエンスに設定できます。

c.事例1:まだ登録がない人に向けてLPを宣伝する場合

カスタムオーディエンスのうち、まだ登録していない人に向けて広告を配信することも可能です。そのために、すでに登録した人のカスタムオーディエンスを新たに作成しましょう。ソースをウェブサイトにし、登録完了イベントを設定すればいいでしょう。まだ登録完了イベントを用意していない場合は、イベントマネージャのイベント設定ツールを使い、ウェブサイトのピクセルに登録完了イベントを設定してください。

カスタムオーディエンスを作成したら、次は保存済みのオーディエンスを作成します。保存済みのオーディエンスでは追加するカスタムオーディエンスを設定できますが、除外するカスタムオーディエンスを設定することもできます。除外するカスタムオーディエンスを設定するには、カスタムオーディエンス欄の「除外」ボタンをクリックしましょう。そして、除外するオーディエンスに登録完了したオーディエンスを設定します。これで、未登録のユーザーを対象にした保存済みのオーディエンスが作成できます。

d.事例2:濃いターゲットのみにセールスをする場合

濃いターゲット、つまりターゲットとしての条件をより満たしているユーザーに対してセールスをしたい場合は、オーディエンスの条件を絞り込んでいきましょう。保存したオーディエンスを作成することで、カスタムオーディエンスをさらに絞り込みできます。

たとえば、カスタムオーディエンスには様々な国のユーザーが設定されているとします。保存済みのオーディエンス作成時に、カスタムオーディエンスを設定し、地域に日本を設定しましょう。これで、日本に住む人だけが対象のオーディエンスになります。地域以外にも、年齢、性別、さらには興味、関心で絞り込むことも可能です。セールスしたい相手だけに広告を配信できるように、適切な絞り込みをするとよいでしょう。

e.事例3:接触があった人に大量の動画を見せて教育する場合

接触が合った人に動画を見せる場合は、複数のカスタムオーディエンスをかけ合わせる方法が使えます。保存済みのオーディエンスに複数のカスタムオーディエンスを設定すれば、いずれかのカスタムオーディエンスに含まれるユーザーを対象にしたオーディエンスが設定できます。たとえば、「いいね!」したユーザーのオーディエンスと、リード獲得したユーザーのオーディエンスを設定することで、「いいね!」またはリード獲得したユーザーをターゲットにしたオーディエンスが作られます。

ちなみに、大量の動画を見せたい場合は、広告セットの設定でダイナミッククリエイティブを有効にするとよいでしょう。ダイナミッククリエイティブで10個の動画を設定すれば、ユーザーに合った動画が10個のなかから選ばれる広告になります。

10. 【重要】iOS14アップデートへの対策方法

a.iOS14アップデートによる影響と対策方法

iOS14のリリースをうけて、Facebook広告のイベントやレポートに影響が出る可能性があると、公式からアナウンスがありました。この影響をなるべく抑えるには、対策をとる必要があります。

影響が出る原因は、Apple社のポリシー変更です。新しいポリシーでは、iOS14利用者はトラッキングを許可しない限り、データの収集と共有が禁じられるようになります。この変更により、トラッキングを許可しないユーザーから情報を得られず、イベントの最適化、ターゲット設定、レポートに影響が出てしまうのです。

具体的な影響内容としては、以下のものが挙げられます。

  • トラッキングを許可しないユーザーが増えることで、カスタムオーディエンスのサイズが減少する可能性がある
  • iOS14デバイスから送られるデータの詳細が閲覧不可になる
  • レポートがリアルタイムで反映されず、最大3日のタイムラグが生じる可能性がある
  • アプリに紐付けられる広告アカウントやキャンペーン等に制限がかかる

上記の他にも、iOS14のアップデートにより影響を受けています。その上で、データの収集を続けるためには、iOS14への対策をとらなくてはいけません。アプリの広告とウェブサイトの広告でとるべき対策は変わります。ただし、どちらも共通して、iOS14ユーザー用のキャンペーンを作成する必要があります。

アプリ向けの広告が影響に対してとるべき対策として、使用しているSDKやAPIを最新のバージョンにアップデートしましょう。バージョン8.1以降にアップデートすれば、アプリインストール広告を引き続き使用できます。ただし、アプリでFacebookログイン機能を使用している場合は、バージョン9.0以降にアップデートしなければなりません。

ウェブ向けの広告のためにとるべき対策は、ドメインの認証と、合算イベント測定機能の実装です。認証して有効になったドメインは、広告セットや合算イベント測定機能の設定に使います。そして、合算イベント測定機能はiOS14利用者のコンバージョンを測定するために必須です。

iOS14に関する詳細は、以下のリンク先で確認できます。また、広告マネージャのリソースセンターで、あなたがiOS14に対して行うべきタスクを見ることも可能です。

リンク:AppleのiOS 14リリースが広告に及ぼしうる影響について

b.ドメイン認証の手順(HTMLファイルアップロード)

ドメイン認証は、ビジネスマネージャのビジネス設定で行います。まずは、ビジネス設定のメニューから「ブランドセーフティ」>「ドメイン」を開きましょう。ここに、あなたのウェブサイトのドメインを追加します。「追加ボタン」からサイトのドメインを入力すれば、未認証状態のドメインが一覧に現れます。

ドメイン認証するには、3つの方法があります。

  • HTMLファイルアップロード
  • DNS認証
  • メタタグによる認証

認証したいドメインを選択した状態でタブを切り替えることで、それぞれの認証方法の手順が見られます。いずれか1つの方法で認証すればいいので、やりやすい方法を選ぶとよいでしょう。

ここからは、それぞれの認証方法を順に説明していきます。

1つ目の方法は、HTMLファイルアップロードです。この方法では、ウェブサイトにファイルをアップロードすることで認証します。

HTMLファイルアップロードにタブを切り替え、基本ステップ1のリンクをクリックすれば、認証に使うファイルをダウンロードできます。このファイルを、ウェブサイトのルートディレクトリにアップロードしましょう。ルートディレクトリとは、ドメイン直下にある一番上の階層のディレクトリ(フォルダ)です。

ルートディレクトリにファイルを正しくアップロードできていれば、基本ステップ3に書かれているURLに移動してもエラーになりません。エラーになる場合は、ファイル名が変わっていたり、アップロードする場所を間違えていたりしている可能性があります。エラーが出なくなったら、「認証する」ボタンをクリックすることでドメインが認証されます。

c.ドメイン認証の設定をCloudflareで行う場合(DNS認証)

2つ目の方法は、DNS認証です。DNS設定を変更できる場合は、DNS認証の方法が使えます。ただし、DNS認証を1から行うのは手間がかかります。しかも、DNS設定の変更が反映されるまで最大72時間かかります。そのため、DNSレコードの設定の仕方が分からないのであれば、他の認証方法にしたほうがいいでしょう。

ここではCloudflareを使ったDNS認証の手順を説明します。ただし、Cloudflareのアカウントを既に持っており、認証するドメインを設定している前提となります。

まずは、Cloudflareにログインし、ホーム画面で認証したいドメインを選択します。次に、上部メニューから「DNS」を選び、DNSを管理画面を開きましょう。そして、「レコードを追加」ボタンを押せば、DNSにレコードを追加できます。

追加するレコードはTXTタイプです。タイプにはTXTを選択します。そして、名前には「@」を入力します。コンテンツに入力するのは、Facebookのドメイン認証画面で表示されるテキストです。DNS認証タブに切り替え、基本ステップ2に書かれているテキストを、コンテンツ欄に入力しましょう。入力できたら「保存」ボタンでレコードを保存します。

レコードが保存できたら、あとはレコードがサイト全体に反映されるのを待つ必要があります。頃合いをみて、Facebookのドメイン認証画面で「認証する」ボタンを押してみてください。DNS設定が反映されていれば、これで認証が完了します。

d.ドメイン認証ができない場合の対策(メタタグによる認証方法)

3つ目の方法は、メタタグによる認証です。ウェブサイトのHTMLにメタタグを記述することで認証となります。HTMLコードに触れるので、間違った操作をすればサイトに不具合が生じる可能性があります。とはいえ、決まった場所に追記するだけなので、慣れている人にとっては一番やりやすい方法ともいえるでしょう。

具体的な方法は、ドメインのホームとなるページのHTMLファイルの<head>タグ内に、<meta>タグを追加するだけです。まずは、FFFTPやWinSCP等のツールを使って、ホームページのHTMLファイルを探します。通常、そのHTMLファイルの名前は「index.html」となっている場合が多いでしょう。ファイルを見つけたらファイルを開き、</head>の直前に<meta>タグを入力しましょう。入力する<meta>タグは、Facebookのドメイン認証画面でメタタグによる認証タブを選べば、基本ステップ1に記述されています。<から/>までコピーして貼り付けるとよいでしょう。

また、ウェブサイト作成にWordPressを使っているのであれば、ツールがなくてもメタタグを記述できる場合があります。WordPressの管理画面で「外観」>「テーマエディター」を選択することで、ファイルが編集できます。<head>タグはheader.phpファイルに記述されている場合が多いので、テーマファイルの中から、テーマヘッダー(header.php)を探してください。ファイルを見つけたら、そのファイルの</head>直前に<meta>タグを入力し、ファイルが更新しましょう。

ちなみに、WordPressで使用しているテーマによっては、<head>タグに追記する内容が書ける設定項目が用意されている場合があります。設定項目がある場所は、テーマによって大きく異なります。たとえば、外観のカスタマイズ画面から設定できるテーマもあれば、管理画面にあるテーマ特有のメニューから設定できるテーマもあります。

メタタグを追加する方法をいくつか紹介しましたが、いずれかの方法でメタタグを追加できたら、Facebookのドメイン認証画面で「認証する」ボタンをクリックしましょう。

e.イベントを8個以下に設定する方法

ドメイン認証ができたら、そのドメインを対象に合算イベント測定が行えるようになります。ただし、1つのドメインに設定できるイベントは8個までとなっております。そのため、イベントが8個以上ある場合は、測定するイベントを選ぶ必要があります。このとき、イベントを削除する必要はありません。

イベント8個という制限は、ドメイン全体をとおしてカウントされます。つまり、メインドメインだけでなく、サブドメインでのイベントも含めた総数が8個以内である必要があります。たとえば、site.comのサイトでイベントが5個、blog.site.comのサイトでイベントが4個使われている場合、site.comドメインで使われているイベントは9個となります。そのため、この例では全てのイベントを合算イベント測定できません。

上記の仕様のため、仮にあなたのもつ複数のサイトが、1つのドメインに対するサブドメインで管理されている場合、それぞれのサイトから設定できるイベントが8個より少なくなりえます。これを避けるためには、新しく用意したメインドメインへサブドメインのサイトを移行させなければならないでしょう。

それでも、1つのドメインでイベントが8個以上になるのであれば、すべてのコンバージョンイベントを測定するのは諦めなければなりません。もしくは、コンバージョンイベントの代用となる方法を検討してみましょう。たとえば、ランディングページビューやリンクのクリック等をもとに広告セットの最適化を行うことは可能です。

f.合算イベント設定を「はい」にする方法

合算イベント測定には、ピクセルの通常イベントだけでなく、カスタムコンバージョンも設定できます。当然、カスタムコンバージョンも8個の制限に含まれます。カスタムコンバージョンが合算イベント測定に設定されているかは、イベントマネージャのカスタムコンバージョン画面で「合算イベント測定」が「はい」になっているかどうかで確認可能です。

もし、「はい」ではなく「いいえ」になっている場合は、その下にある「設定」リンクをクリックし、合算イベント測定の設定に移動しましょう。対象のドメインを選択し、「イベントを管理」ボタンをクリックすれば、ドメインにイベントを追加できます。カスタムコンバージョンを追加してからカスタムコンバージョン画面に戻り、「合算イベント測定」が「はい」になることを確認してください。

g.合算イベント測定にウェブイベントを追加する方法

カスタムコンバージョン画面から合算イベント測定の設定画面に行くこともできますが、データソースの画面から行くことも可能です。対象となるドメインのピクセルを選択し、「概要」タブ内の「合算イベント測定」タブで「ウェブイベントを設定」ボタンをクリックしましょう。ウェブイベントの設定画面が開きます。

設定画面では認証済みドメインが表示されるので、ドメインを選択して「イベントを管理」ボタンをクリックします。ここで出る注意書きにある通り、設定したイベントに影響される広告は配信されなくなる場合があります。問題がなければ、このまま編集画面に移り、イベントを設定しましょう。

イベント設定時に気をつけたいのは、イベントの優先度です。実は、1ユーザーに対して複数のイベントが発生する場合、優先度が高いイベント1つだけが送信されます。たとえば、カートの追加と購入のイベントが行われたとき、購入イベントの優先度が高ければ購入イベントのみ計測されます。イベントの優先度は、設定画面で上にあるほど高くなります。なので、優先度の右にある6つの点部分をドラッグして並び替え、優先順位を変更してください。

設定が終わったら「送信」ボタンを押し、反映されるのを待ちましょう。これで、iOS14利用者のトラッキングデータを計測できるようになります。

h.【上級者向け】コンバージョンAPIの連携をZapierで行う方法

※こちらは上級者向けの設定方法ですので無理に行う必要はありません。

コンバージョンAPIとは?
iOS14への対策として、コンバージョンAPIを設定するのも有効です。コンバージョンAPIとは、自分のウェブサイトのサーバーからFacebookのサーバーにイベント等を直接共有するビジネスツールです。コンバージョンAPIを使うことで、ピクセルだけでは取得できない顧客情報を得られる場合があります。ただ、コンバージョンAPIは上級者向けの設定方法ですので、必ずしも設定する必要はありません。必要だと感じたら設定するとよいでしょう。

コンバージョンAPIは手動で設定できますが、ここではZapierで連携させる方法をお伝えします。リード獲得広告とは違い、無料プランでも連携させることは可能です。行う作業は、Facebookでのパートナー選択と、ZapierでのZap作成です。

Facebookでの設定は、イベントマネージャのデータソース画面から行います。コンバージョンAPIを設定するデータソースを選択し、「設定」タブ内の「コンバージョンAPI」にある「パートナーを選択」ボタンをクリックしましょう。ここで表示されるパートナーからZapierを選び、操作を進めていけば設定が終わります。

Zapierでは、「MAKE A ZAP」ボタンからZapを作成していきます。Triggerには、コンバージョンAPIでデータを受信するきっかけとなるデータソースを選択します。そして、ActionにはFacebook Conversionsを選択してください。

それぞれの入力項目を設定し、スイッチをオンにすれば設定完了です。細かい設定内容等については、以下のリンク先でも説明されています。

リンク:ZapierサーバーサイドAPIアカウントをFacebookにリンクさせる

11. 終わりに

これまで、Facebook広告におけるビジネスツールの使い方や、具体的な広告の出し方を解説してきました。ここまで読んだあなたなら、Facebook広告を出すために長い時間悩むことは無くなったはずです。

広告を出す時は広告マネージャを使い、ターゲットを決める時はオーディエンスを使い、ウェブサイトをトラッキングしたい時はイベントマネージャを使いましょう。そして、広告の反応が悪い時やリターゲティングをする時には、まずオーディエンスを見直すのがお勧めです。また、広告の反応が良い場合は、ターゲットを絞ったりメディアを差し替えたりしながら、広告効果が高まるオーディエンスを模索すると、より良い広告を作れるでしょう。

あなたのビジネスがFacebook広告によって更に成長することを祈っております。
12.広告を最大限活用するためのマインドセット
最後に、1つ注意しておくべきことを伝えます。広告について勉強を重ね、適切な広告が作れるようになったとしても、キャンペーンを作成した後の初めての広告で最高のものを作れることは、まずありえません。なぜなら、どんなに濃いユーザーへ広告を配信できたとしても、実際に行動してくれるかどうかは誰にも分からないからです。

12. 広告を最大限活用するためのマインドセット

最後に、1つ注意しておくべきことを伝えます。広告について勉強を重ね、適切な広告が作れるようになったとしても、キャンペーンを作成した後の初めての広告で最高のものを作れることは、まずありえません。なぜなら、どんなに濃いユーザーへ広告を配信できたとしても、実際に行動してくれるかどうかは誰にも分からないからです。

そこで、広告を作る際に必要となるのは、テストを繰り返して広告を改善していく気持ちです。広告を1回出して結果が悪かったからといって、諦める必要はありません。広告を配信する計画を立て、実行し、結果を評価して、改善していく。この一連の流れ(=PDCAサイクル)を繰り返し、狙ったターゲットから良い反応がとれる広告を徐々に作り上げてきましょう。